起業したい! そう思ったことはありますか?

残念ながら筆者はないです。でもこの記事を読んでいる人なら、そう思っている可能性は一般平均より高いかもしれませんね。

 

これから紹介するのは、株式会社ZEROZIBAの若き経営者です。普通の起業家とは少し違います。地方の若者が職を求めて都市に流出するなか、あえて地方に移住して事業を始めた「ローカル起業家」なのです。

舞台は人口約4万人の兵庫県篠山市。農業が盛んな田舎町。

「そんなところで事業として成り立つの?」「普段なにしてるの?」「どうやったらローカル起業家になれる?」そんな疑問にお答えすべく、彼らの一日に密着してみました。

 

株式会社ZEROZIBAってどんな会社?

 

今回密着する株式会社ZEROZIBAは、兵庫県篠山市を拠点に子供の教育・若者のキャリア支援事業を行う会社です。

メイン事業は「キャリアツーリズム」。教育系の大学生を対象として地域で働く選択肢を紹介するツアーを企画・開催しています。

 

子供の野外教育を推進したい渡辺壮一郎さんと、独自のキャリアを目指す若者を支援したい米田麻人さんがタッグを組んで、昨年11月に起業しました。もう一人の社員、森本さんを迎えて現在は3名で事業を行っています。

渡辺さんと米田さんの二人は小学校のころ同じサッカーチームで、何でも話せる親友だったそうです。十年近くの年月を経て再会し、起業を即決したとか。なんだか運命を感じますね!

 

 

ローカル起業家の一日に密着してみた

12:00 ローカル起業家に密着開始

出迎えてくれたのは株式会社ZEROZIBA社長、渡辺さんとスタッフの森本さん。

二人ともイケメンです。

 

「今日1日密着させて頂くわけですが、ローカル起業家って普段、どんなことをしてるんでしょうか。」

渡辺「色々やってるよ! 子供の野外教育イベント、WEBページ制作、ゲストハウスの管理請負、そろばん教室、などなど」

「なるほど……かなり多角的なんですね。」

 

聞けば、本当にやりたい事業と、それを成り立たせるための事業を並列で行うことがローカル起業家の宿命なのだとか。田舎では通年のいわゆる9時5時の仕事は少ない一方、不定期の小さな仕事依頼はたくさんあって、そうした小さな仕事を組み合わせることで収入を補うとともに、本業の広報や人脈作りにも役立てているそうです。

 

「それでは、今日一日よろしくお願いします!」

 

12:30:まずは学童施設へ

我々が最初に向かったのは学童施設でした。

 

こちらが株式会社ZEROZIBA専務、米田さん。一度は東京で就職したものの、起業したいという思いが消えず、三年目に退職してこの道に進みました。

 

「最近ベーゴマが回せるようになった」という米田さんは、子供たちに囲まれて明るく働いていました。

 

それにしても、田舎の子供はとにかく活発で人懐っこい。若い大人が入ってきたとみるや、我先に「抱っこして!」と駆け寄ってきます。筆者もたくさん抱っこし、同じぐらいパンチされました。

 

渡辺「教育って、学校や塾のいわゆる“勉強”だけじゃないと思うねん」

突撃してきた子供を軽々だっこしながら、渡辺さんは言います。

渡辺「これまで僕たちのキャリアツアーに参加してくれた人たちも、この子らと遊んでそう感じてくれる人が多かったね。」

 

確かに、豊かな自然に囲まれて活発に遊ぶ、ちるみゅーの子供たちを見ていると筆者にもその意味が伝わってきました。都会の凝り固まった教育に違和感を抱く若者に、この姿を見せたい。二人はそう思っているのでしょう。

 

16:15:スーツをまとい通常業務へ

「すごい色ですね」

米田さんは別の用事があるということで、一旦ここでお別れ。
渡辺さんと森本さんは補助金の資料請求に行くとのことで、筆者も同行しました。

 

いつの間にかジャケット着用の二人。補助金の細かいルールや、申請書の様式等について担当の職員さんと20分ほどお話ししました。

手ごたえはどうだったのでしょうか。

 

悪い感触ではなさそうです。

それにしても、こうしてカッチリした格好で役所にいると、ローカル起業家も普通の社会人と変わらないように感じますね。

 

時刻は17:00。

「皆さん、この後のご予定は?」

森本「まったく決めてなかった。そやなあ、バーベキューしようか」

 

……訂正、ローカル起業家はやはり一味違いました。

 

その足で買い出し行ってるし。

アフター5も充実のローカル起業家です。

 

18:00突然の自宅BBQ

というわけで、どういうわけか筆者もご相伴に預かることにしました。これは取材。そう取材なんだ。決して肉食べたいとかそんなんじゃ。

 

ZEROZIBAの事務所は普通の古民家、庭にはバーベキューセット(屋根付き)が常設されていました。薪は「そのへんで拾った木の枝」。

田んぼに囲まれたここなら都会ほど煙に気を遣うこともありません。

ふと思い立ってすぐバーベキューができるのも、ローカル起業家ならではですね!

 

肉を食べながら話題は若者のキャリア問題に。お酒も入ったので、少々突っ込んだ話を聞いてみることにしました。

 

19:35 ローカル起業家に質問タイム

 

「どうして普通のキャリアを捨てて、篠山で起業したんですか?」

米田「自分の力で何かを成したいと思ったから、かな。」

 

今では迷える若者のためキャリアツーリズムを企画する米田さんも、かつては自分らしい働き方に悩む一人でした。一度は就職したもののしっくりこない日々。そんなとき、一人の同年代の起業家に出会い、押さえつけていたものが湧き上がってきたそうです。

「いつかやりたい」と思っている間は永遠に「やっていない自分」に対するコンプレックスに苦しむことになる。」

そう気づいた米田さんは3年目の会社を辞め、その年に株式会社ZEROZIBAを立ち上げました。

 

米田「そのあとはもう、すべてが勝手に動き出した印象やな」

 

起業は見切り発車でしたが、田舎では、若者が動いていればすぐに新聞に載ります。それを地域の人が見れば必ず何かしらのリアクションがある。それが何かは未知だけれど、それは声に出して「起業しました!」と言わなければ決して得られなかったもの。

そうして人間関係を繋げてゆき、動きながら自分たちの居場所を開拓していきました。

起業2か月で得た名刺は、あっという間にカードフォルダ二冊分を超えたそうです。

 

米田「やっちまえば、あとは勝手に動き出すんや!」

米田さんが何度も繰り返したその言葉に、ローカル起業家の神髄を見た気がしました。

 

1日取材を通して分かったローカル起業家の実態

 

ローカル起業家は普段何やってるの? その質問の答えを一言で言うと「一言では言えない」です。

 

ルーチン化されている部分が非常に少なく、スケジュールは日によって実に様々。メイン事業はありますが、それ1本勝負ではなく、地域の会社や個人に依頼された仕事をいくつも引き受けて本業に役立てています。

毎日の変わらないデスクワークが「仕事」だと思っている人には、それは全く新しい世界でしょう。ある意味で、これ以上ない「自分らしい働き方」と言えるかもしれません。

 

どうすればローカル起業家になれるのか。その答えは米田さんが教えてくれました。

米田「やっちまえば、あとは勝手に動き出すんや!」

 

そういえば取材の途中、ZEROZIBAという社名の意味を聞いてみました。

元となった「ゼロ磁場」という言葉は地学用語で、地球の正負の磁場がぶつかる地点のこと。そこは未知のエネルギーが集まり、何かが起きるパワースポットなのだそうです。

取材を通して肌で感じた、地域に集まる未知のエネルギー。やってみないとわからない未知のエネルギー。

一気に爆発する日は、そう遠くないかもしれません。

 

ローカル起業家になりたい! そう思ったことはありますか?

残念ながら筆者はないです。でも、この記事を読んだ人が少しでもそう思ってくれればとても嬉しいです。

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